マイストーリーをちょっとした方向転換で作った人の話
こんにちは、シイです。
前回は、仕事で試行錯誤した経験を、自分だけのマイストーリーにしていく3つのコツをお話しました。
今回は、ちょっとした方向転換をすることでマイストーリーを作った人の話です。
しばらく前の話です。
当時、隣の部署にAさんという30歳の契約社員(女性)がいました。とても熱心に仕事をする人で、いつも遅くまで残って仕事をしていました。隣の部署は、正社員と契約社員が混在しており、契約社員の方たちの多くは25歳前後、Aさんは一番年上でした。
しばらくして、そのAさんと一緒に仕事をすることになりました。
■やっかいな人Aさん?
参考までにAさんのことを周り聞いたところ、あまり芳しくないようでした。不満ばかり訴えてくるので、困ってしまうとの話です。
その後、Aさんと仕事を共にし始めると、その意味が分かりました。Aさんは「ここを直したほうがいい」「ここが問題だと思います」と毎日のようにAさんが考える問題点を発見して報告してきます。なるほど~、このことが不満ばかり訴えてくると受け取られたのだな、と思いました。
そしてAさんと会話を重ね、時間を共にすること数か月。Aさんは、仕事を少しでも質の高いものにしたい、職場をもっと活気あるものにしたいと常に考えていることがわかりました。
■試行錯誤から始めよう
Aさんの思いを受けて、こう提案しました。
「直したほうがいい点や問題点を、どうしたら解消・解決できるか案を考えてみてくれる?」
それからしばらくして、いくつか解決策を考えてくれました。そしてまた、私から提案しました。
「では、自分の手が空いているときに、解決策のうち、自分が出来ることを試験的に実行して記録に残してみてくれる?それをもとにどうしたらいいか、一緒に考えてみよう」
それからAさんは、仕事中に遠い目をしていたことがありました。大丈夫かな?と心配になることもありましたが、色々考えているようなので、そのまま見守ることにして数ヶ月が過ぎました。
■Aさんの記録は、少なかった
数ヶ月後、Aさんは記録を見せてくれました。案外少なかったのを覚えています。話を聞くと、今まで問題点は色々気づくけれど、自分が出来ることについては考えたことがなかったので、策がなかなか浮かばなかったそうです。それでも策を模索し、実行した記録を詳細につけてくれていました。とても参考になるものでした。
そこで同じチームメンバーに、Aさんの同意のもと、記録を開示して評価をしてもらうことにしました。するとチームメンバーは、改善に向けた意見を色々出してくれました。詳細な記録が呼び水となって、意見が出しやすくなったようでした。
■Aさんの案を試しにやってみよう、あくまでも試しね!
それから、Aさんの改善案をチームメンバー全員が試しにやってみることになりました。あくまでも試しということで、、、
結果としては「さらに改良が必要だね」という話になったのですが、それまで何も進んでいなかったことが、ゆっくりと進み始めた瞬間でした。
■時間がかかるものだと心得る
Aさんが、問題を解消すべく試行錯誤しチームメンバーが動き出すまで、半年以上かかりました。(私のなかでは、これは早いほうだと思います。数年やっても全然動かないことも多々あります)
そして残念ながらここで、私がその仕事から離れることとなり、Aさんと離れることになりました。
■マイストーリーの種ができた
Aさんの「自分が出来ることから試行錯誤を始めて、半年以上かけてやっと周りが動き出した経験」には、どのような工夫があったのか、どのような葛藤があったのか、どのような喜びや苦しみがあったのでしょう。
これらを言語化し、数値という裏付けを付け加えれば、きっと貴重なマイストーリーになることでしょう。
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さて、ここからはAさんの後日談です。
当時、正社員への登用試験がありましたので、契約社員のAさんに試験を受けてみてはどうかと尋ねました。正社員になれば契約更新を気にすることなく働けます。Aさんは、しばらく考えた後にこう答えてくれました。
「もう少し、試行錯誤してみたいと思います」
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ここまで、参考になるポイントがあれば嬉しいです。
それでは、また~
Byシイ